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2002年10月31日
 
マツタケ菌糸体の工業的な培養に成功 健康食品市場に参入決定!!

  呉羽化学工業株式会社(本社:東京、社長:天野宏)では、抗腫瘍性、抗ストレス活性、感染症の予防、など免疫賦活活性が高いマツタケ菌糸体由来の糖タンパク複合体に着目し、研究開発を進めてまいりました。その結果、活性の極めて高い菌株(クレハM6271株)を発見し、安定的な菌糸体の工業生産に成功、健康食品分野への市場参入を決定しました。

 マツタケ子実体は、キノコ類の中でも腫瘍に対する増殖阻止率が極めて高いことが知られておりますが、原料確保の制約や、活性が時間経過とともに低減してしまうなど品質劣化の問題があり、新鮮な菌糸体の確保が求められてきました。呉羽化学工業株式会社では、抗がん剤クレスチンなどの医薬品開発・製造で培った技術を応用し、新鮮子実体に匹敵する活性を持つ菌株のスクリーニングを行ない、難しいとされるマツタケ菌糸体の培養技術を確立し、安定的な供給を可能にしました。

 当開発品は、腸管免疫増強活性も非常に高いというデータが得られており、また、ストレス時のナチュラル・キラー(NK)細胞活性の回復促進に著しい効果があることも実証されました。
 当社では、セルフメディケーション時代に向け、免疫賦活活性の期待できる健康食品として、提携販売も視野に入れた幅広いチャネルを基盤とした事業展開を策定しています。

この件に関するお問い合わせは
呉羽化学工業株式会社 総務部 広報グループ
TEL:03-3249-4651
までお願いいたします。


マツタケ菌糸体について

■マツタケ菌糸体(クレハM6271株)
当社では、「高齢化社会のもと治療から予防へ」の理念のもと、食品機能を通じて、高齢者の健康管理に対応する可能性を検討するため、1998年から食用キノコ由来の新規機能素材の探索に着手しました。約35年に渡って収集した担子菌の菌株ライブラリーおよび食用キノコ子実体を対象に、生理活性、増殖性及び安定性を指標としてスクリーニングした結果、マツタケ菌・クレハM6271株を有望候補として選択しました。この菌株は1972年に京都府亀岡市(丹波マツタケの名産地)で採取した子実体から分離したもので、当社オリジナル菌株です。遺伝子解析等、最新の解析技術により、この菌株の特性を把握し、諸形質が長期間安定なことを確認し、さらに活性成分として新規α-グルカン・蛋白質複合体(通称α-プロテオ・グリカンと命名する)を含むことが判明したことを受け、特許を出願しました。
次いで、タンク培養による量産システム構築に着手し、大型槽での培養に到達、各種評価用の菌糸体サンプルを確保しました。医薬品の安全性試験の基準であるGLPに準拠した形で安全性が外部評価され、細菌復帰突然変異試験は陰性、ラット急性毒性試験およびラット28日間投与毒性試験で本剤による異常所見は全く観察されませんでした。また、経口投与により肝臓の薬物代謝酵素系(肝ミクロソーム蛋白質およびP-450含量)に殆ど影響を及ぼさず、薬物相互作用の可能性は低いと考えます。
免疫を中心とした生物活性試験が外部施設と共同で実施され、これまでに以下のようなユニークな活性が見出されています。

@ストレスモデルマウスのNK細胞活性改善作用
拘束によるストレスモデルを作成し、マウスに本開発品を経口投与したところ、拘束負荷によるNK細胞活性の低下が軽減され、NK活性の回復が促進されました。他キノコ製品にはこの作用は見出されませんでした。つまり、本開発品摂取により、ストレスによる免疫系の抑制状態が防止され、免疫監視機構が正常に働くため、ストレスに由来する各種症状、感染症や癌発生の機会が少なくなることが期待できます。

A大腸がんモデルマウスの腸管リンパ球活性増強作用
大腸癌細胞を盲腸部に移植したマウスでは、抗腫瘍免疫活性は抑制されますが、本開発品摂取により、当該マウスの腸間膜リンパ節細胞のがん細胞障害活性(キラー活性)は増強されました。他のキノコ製品にはこの作用は見出されませんでした。つまり、本開発品摂取により、消化器がんの発生や進行の防止が期待できます。

B発がん物質処置ラットの大腸前がん病変抑制作用
発がん物質アゾキシメタンで処置したラットにおける大腸前がん病変の観察は、発がん予防物質の評価に汎用されている実験系です。本開発品添加飼料を与えたラットでは、前がん病変が有意に抑制されました。つまり、本開発品摂取により、消化器がんの発生抑制が期待できます。

C実験的細菌感染モデルマウスの延命作用
緑膿菌やリステリア菌を静脈内接種すると、マウスは敗血症等をおこして感染死します。本開発品を投与することにより、生存率が改善されました。つまり、本開発品摂取により、感染の頻度減少や感染症からの回復促進が期待できます。

Dがん転移モデルマウスの抗腫瘍作用
がんが恐れられている理由の一つに転移があり、転移の有無が癌患者の予後に大きな影響を与えるとされています。転移モデル系マウスに本開発品を投与したところ、腫瘍増殖が抑制されました。すなわち、本品摂取により、がん転移の予防や進行防止が期待できます。

さらに、このような活性を担う活性構造を検討したところ、α-グルカンと蛋白質の複合体であり、新規物質であることが判明しましたので、特許を出願しました。活性に関わる微細構造を更に解析中です。

また臨床試験としては、健常者を対象に本開発品の過剰摂取の安全性試験が行われ、異常所見は認められませんでした。
今後、EBS(Endorsement Based Supplement)を目指すため、基礎並びに臨床知見など更なる科学的根拠を蓄積して参ります。

■マツタケ選択の経緯
・制がん及び各種薬効が知られている
・古来より食され、安全性が高い
・当社培養技術により、均質な菌糸体の安定的工業生産が可能である
・高級食材として浸透しており、知名度が高い
・現時点で他社製品が未だなく、先駆性がある

■マツタケ
マツタケは担子菌類に属するキノコの一種であり、アカマツの根に寄生し、秋季にアカマツ林の地上に自生します。このキノコは、万葉集にも記載があるように、古くから食されており、安全な食材と云えます。
マツタケには芳香があり、美味なことで有名ですが、最近では収穫量が減少し、季節限定の高級キノコとされています。技術的には、マツタケ菌糸体の人工培養は可能ですが、生殖体である子実体の人工栽培は非常に難しいとされています。アカマツ林を手入れするなど、自然環境整備による増産が試みられているのが現状です。過去に、マツタケ菌糸体を培養・加工して子実体類似食品の開発がトライされた報告がありましたが、成功には至らなかったようです。
キノコにはβ-グルカンなどの生理活性物質が含まれ、免疫増強作用などの多彩な作用を発揮することが知られています。マツタケ子実体においても、動物実験で他キノコを凌駕する極めて強い抗腫瘍性成分が報告され、がん細胞に特異的に、がん細胞の自殺、つまりアポトーシスを誘導するユニークな蛋白質が報告されています。一方、臨床効果も、古くは「本朝食鑑」に記載されていますし、最近では胃癌の体験例があります。しかし、子実体には、原料確保の制約や、野外採取時や流通中の品質劣化など多くの問題があります。このような理由により、子実体を用いた研究の大きな進展はありませんでした。

会社概要
社名 :呉羽化学工業株式会社
設立 :1944(昭和19)年6月
所在地 :東京都中央区日本橋堀留町1-9-11
代表者 :天野宏
資本金 :124億6,000万円
売上 :840億円
事業内容 :機能製品、化学製品、樹脂製品、医薬製品の製造販売

医薬品開発の経緯
1962(昭和37)年 東京研究所に安全性試験設備完成
1977(昭和52)年 クレスチン(抗悪性腫瘍剤)発売
1991(平成3)年 クレメジンカプセル200(慢性腎不全用剤)発売
1999(平成11)年 コバルジン(動物用医薬品)発売
2000(平成12)年 クレメジン細粒(慢性腎不全用剤)発売
2001(平成13)年 三共株式会社と抗HIV剤(CXCR4ブロッカー)の共同研究契約締結

食品関連開発の経緯
1954(昭和29)年 クレハロンケーシングの完成以降、魚肉・畜肉加工品包装システムの構築、包装材料の提供、並びに海外における食品の製造指導を実施
1960 (昭和35)年 食品研究所設立。クレラップ発売。
1975(昭和50)年 ラミネート用フィルム(ケイフレックス)を契機に、無菌化包装システムの開発推進、並びに包装材料の提供
1977(昭和52)年 多層収縮バッグ(MLバッグ)を契機に真空包装技術、紫外線殺菌システムの開発、包装材料の提供、並びに海外における技術指導を実施
1977(昭和52)年< 多層収縮フィルム(ペアフレックス)を契機にガスパックシステムの開発推進、並びに包装材料の提供実施

上記で培われたハイバリアー技術は、最近の「ベセーラ」パウチ・フィルムへと発展を続けている
 
  

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