コンプライアンス

クレハグループは、社会および企業の持続可能な発展を追求するサステナビリティ経営を支える根幹であるコンプライアンスをサステナビリティ重要課題として認識しています。 各社の経営層・従業員は、企業活動のあらゆる場面において、国内外の関係法令を遵守するとともに、社会的規範に則った活動を実践します。

目標 / あるべき姿

  • すべての経営層・従業員が、企業活動において、法令・社会的規範やその精神を遵守し、社会的良識をもって行動する。

2022年度計画

  • 従業員に対するコンプライアンス教育の実施
  • グループ各社においても各種コンプライアンス教育を実施

2022年度報告・成果

【従業員に対するコンプライアンス教育の実施】

  • 新規採用者への導入教育、ならびに新規採用者および幹部社員昇格者へのeラーニングなどを実施することにより、コンプライアンスに対する意識を醸成

【グループ会社における各種コンプライアンス教育の実施】

  • 各社の状況に応じてeラーニングの内容を選考して実施するとともに、各社の業種に応じたコンプライアンス教育を実施することにより、コンプライアンスに対する意識を醸成

コンプライアンス体制

クレハグループでは、経営層・従業員の行動規範として「クレハグループ倫理憲章」を定め、国内外の関係法令を遵守するとともに、社会的規範に則った活動を実践してきました。しかし近年、国連によるSDGsの採択、グローバル化、技術革新など、ビジネス環境は目まぐるしい変化を遂げています。
そこで、2023年4月に「クレハグループ倫理憲章」を見直し、従来のコンプライアンスに関わる事項に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した行動を促し、持続可能な社会と当社グループの持続的成長の両立を目指す「クレハグループ企業行動憲章」を定めました。
サステナビリティ推進委員会の下部組織であるコンプライアンス部会が、従業員一人ひとりにコンプライアンス重視の意識が浸透するように、コンプライアンス行動基準を掲載した「コンプライアンス・ハンドブック」による研修などを実施しています。
社長直轄の内部監査部は、当社グループを対象とする内部監査において、コンプライアンスを含む内部管理態勢などの適切性や有効性を評価、検証しています。

2022年度において、コンプライアンス違反に起因する従業員の解雇、および腐敗に関連する罰金、課徴金および和解金は発生していません。

コンプライアンス教育・啓発のための取り組み

クレハグループでは、コンプライアンスに関する意識調査やクレハとグループ会社の教育や事案対応についての情報交換会を通じて、グループレベルでのコンプライアンス意識の醸成およびコンプライアンス体制の維持・強化に取り組んでいます。

  • コンプライアンス意識調査の実施(グループ会社含む)
  • クレハとグループ会社の教育や事案対応についての情報交換会
  • 安全保障貿易管理に関する教育
  • 独占禁止法遵守、個人情報保護等に関するレビューなど

教育に関する主な取り組み(2022年度)

種別(対象者) 内容 受講者数
導入教育(新規採用者) コンプライアンス体制と内部通報制度、グループ倫理憲章の各項⽬の解説、個人情報の保護 65 名
コンプライアンス教育(幹部社員昇進者) コンプライアンス体制と内部通報制度、不正のメカニズム、独占禁止法に関する取り組み 20 名
e ラーニング(幹部社員昇進者) 第一法規「働くみんなのコンプライアンス入門」 20 名
e ラーニング(新規採用者、出向受入者) 日本能率協会マネジメントセンター「企業倫理・コンプライアンス基本コース」 73 名

贈収賄防止

クレハグループは、企業活動における贈収賄防止に関する取り組みを推進するため「クレハグループ贈収賄防止方針」を制定しました。クレハグループは、この方針のもと、事業を展開する国および地域の法令等を遵守して企業活動を行います。

クレハグループ贈収賄防止方針

クレハグループは、「クレハグループ企業行動憲章」において、適正な取引、政治・行政との健全な関係を原則の一つとして掲げ、「クレハグループ行動規範」において贈収賄を禁止しています。本方針は、これらを推進・実践することを目的に定めるものであり、当社グループの全ての役員、従業員に適用されます。

  1. 贈収賄行為の禁止
    クレハグループは、国内外の公務員またはこれに準ずる者や取引先等に対し、直接的・間接的に行うかを問わず、賄賂の供与やその申出、約束を行いません。また、クレハグループは、国内外の公務員またはこれに準ずる者や取引先等から賄賂を受領せず、その要求、約束を行いません。
  2. 第三者を通じた贈収賄の禁止
    クレハグループは、コンサルタント、エージェント等の第三者を通じた賄賂の供与または受領の指示を行わず、当該第三者による贈収賄の事実やその兆候を知りながら、これを黙認しません。
  3. 教育
    クレハグループは、贈収賄行為の防止に向けた倫理意識の更なる徹底、贈収賄防止体制の運用の担保のため、役員および従業員等に対する定期的な教育を行います。
  4. 体制の確認と見直し
    クレハグループは、定期的または不定期の監査により、本方針に基づく贈収賄防止体制が機能しているか否かを確認し、必要に応じて見直しを行います。
  5. 記録
    クレハグループは、本方針の遵守を確認し、これを示すことができるよう、会計帳簿等を事実に基づき正確に作成し、適切に保持します。
  6. 報告
    クレハグループは、本方針に違反している場合やその疑いを知り得た場合に、適時適切な対応を可能とするため、速やかに所属長やコンプライアンス相談窓口に報告することをクレハグループの役員および従業員に求めます。
  7. 懲戒
    クレハグループは、その役員および従業員等が本方針に違反した場合、就業規則等に従い、適切かつ迅速に処罰を行います。

制定:2024年1月1日
株式会社クレハ

内部通報制度

従業員がコンプライアンスに関して問題のある行為を知ったとき、疑義を生じたとき、判断に迷うときに報告や相談をするための相談窓口(ホットライン)を設けています。製品・安全、人権、環境、安全衛生、公正・自由な競争、政治・行政・社会との関係などに関するコンプライアンス上の相談もホットラインへの相談の対象です。なお、ホットラインに報告や相談をしたことを理由に、相談者に対して不利益な取り扱いをすることは、規程で禁止しています。
また、ホットラインの利用を促進するため、弁護士が対応する社外相談窓口や、女性相談員が対応するハラスメント専用窓口を設置しています。加えて、自主申告をした相談者らの処分を減免する社内リニエンシー制度も導入しています。

2022年度の内部通報件数は12件でした。各案件の重要性に鑑みて、そのうち5件を取締役会へ報告するとともに、処分が必要な案件については社内規程に基づいて懲戒処分を行いました。

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
通報件数実績(件)* 2 10 6 12
  • * 国内グループ会社含む

税務コンプライアンス

クレハは、当社グループが事業活動を行っている各国・地域の税務関連法令や諸規則およびその精神を正しく理解し、適切な納税義務を果たすべく、「クレハグループ 税務方針」を制定しました。
この方針のもと、税務の透明性を確保するとともに、適時・適切な納税義務を確実に果たすことで、事業活動を行うすべての国や地域の経済社会の発展に貢献することを目指しています。

クレハグループ 税務方針

  1. コンプライアンス
    当社グループは、事業活動を行っている国や地域の税務関連法令等を遵守し、各国税法で認められる優遇税制などの恩典を適切に活用した上で、適正な申告・納税を行い、それらの国や地域の経済に貢献し、ともに調和と安定的発展を目指します。
    また、当社グループは、税務の正確性を期するために、関連する法令ルールに準拠した適正な経理業務を行います。
  2. 税務プランニング
    当社グループは、事業活動を反映した公正、適正な税務プランニングを行います。また、税務に関する国際ルール、事業活動を行う各国・地域における法令を遵守し、税務リスクを最小限に抑えるように努めます。
    当社グループは、タックスヘイブンを利用した租税回避行為や事業実態に合致しない税務プランニングは行いません。
  3. 税務リスクの最小化に向けた対応
    当社グループでは、各国税法に従った処理を行うよう努めておりますが、当社グループにおいて妥当と判断した処理が各国税務当局の理解を得られない可能性も一定程度は存在するものと考えております。
    当社グループでは、必要と認められる場合に外部の税務専門家によるアドバイスを求め、複数の選択肢に関して十分な調査、評価、検討を行い、適切な判断を実施します。これにより、税務訴訟や追徴課税が生じるリスクを最小化出来るものと考えております。
  4. 国際税務
    1. 移転価格
      当社グループは、グループ各社の貢献に応じた国際的な所得配分を行うことにより、各国・地域での適正な納税が実施されると考えております。この認識の下、当社グループは、OECD 移転価格ガイドライン等の国際関連規則に準拠し、機能リスク分析に基づいた移転価格算定方法を適用し、国外関連者との取引価格を決定しています。
      当社グループは、移転価格に関する税務リスクを低減するため、外部専門家のアドバイスを受けるとともに、税務当局への事前確認制度(APA)等を利用します。
    2. 二重課税の排除
      当社グループは、同一の経済的利益に対して複数の国・地域で二重課税が生じた場合、各国間の租税条約や相互協議を適用し、これを排除するよう努力します。
  5. 税務当局との関係性
    当社グループは、税務当局からの問い合わせや情報提供要請について適時対応し、税務当局と良好な関係性を維持します。
    また、当社グループは、税務業務にともなう不確実性の低減及び税の透明性を確保するため、合理的な説明が可能な税務処理を行うとともに、各国税務当局との見解相違が生じた場合にはこれを速やかに解消するように努めます。
    また、過去に税務当局から指導を受けた項目については、再発防止策を講じます。

2022年6月制定
株式会社クレハ

税務に関する管理

当社グループでは、税務方針に基づく活動と管理を徹底しています。
現在、税務リスクに関する問題は認識されておりません。

  • 適正な経理業務を実施するとともに、税理士法人等の外部専門家によるアドバイスを求めることにより、税務関連法令等を遵守した合理的な税務業務を実施しております。
  • 税務業務に関する職務は、経理部門を管掌する取締役が執行しております。
  • 監査役および監査役会は、独立した客観的な立場から、取締役の職務の執行を監査しております。