お客様とともに

クレハグループは、「NEWクレラップ」をはじめとする消費財、先端産業で必要とされる各種素材、さらには産業の基盤を支える多種多様な化学製品を製造・販売しています。これらの製品の提供にあたっては、常にお客様の満足を第一に考え、約束した品質基準を確実に守るためにさまざまな活動に取り組んでいます。

製品安全・品質保証

クレハグループは、お客様が製品を購入し、「価値を感じる高い品質レベル(クレハ品質)」の実現と維持を目指して、品質マネジメントシステムの見直しや改善を継続して実施するとともに、従業員への品質教育、協力会社との協働活動などを強化しています。また、国内外のお客様に安全・安心な商品をお届けするため、製品の「安全」を確認する仕組みや社内審査体制を整備しています。

品質方針

当社は、お客様に一層満足していただける製品とサービスを提供するために品質方針を定め、国際規格品質マネジメントシステム(ISO 9001)を運用して日々管理・改善活動に取り組んでいます。また、品質保証体制の強化や品質教育の推進と充実を図っています。

クレハ 品質方針

  1. 私たちはお客様に一層満足していただけるよう、製品とサービスの品質向上に努めます。
  2. お客様に安全な製品を提供し安心してご使用いただくことに努めます。
  3. 保安防災を徹底し、製品の安定供給に努めます。



本年度主要テーマ

  1. ① 品質マネジメントシステムの運用を強化することにより、お客様のご要望を的確に把握し、品質の向上を図る。
  2. ② お客様の信頼性確保のために、外注先を含んだ適切な品質管理を徹底し、品質苦情を低減する。
  3. ③ 製品の安全性リスクを把握し、製品安全に関する事故を防止する。
  4. ④ たゆまぬ改善活動により、生産性を高め、品質の向上とコストの低減を図る。

この品質方針をすべての従業員に周知します。

2021年 4月1日
株式会社クレハ 代表取締役社長

目標 / あるべき姿

  • お客様が価値を感じる高い品質レベル(クレハ品質)の製品を提供し続けている。

2022年度計画

  • 異物混入を中心とした改善活動の推進と監査の実効性強化などによる品質問題の未然防止
  • クレハグループ全体での品質情報の共有化推進と効果的なモニタリングによる改善活動の協働
  • 品質に関わる法規制の変化、新規事業や用途拡大における特殊規格などへの遅滞なき対応

2022年度報告・成果

  • 異物混入対策を中心とした、部門間を越えた協働を継続。社外機関の客観的な評価により活動の有効性を常時見直し
  • コロナ禍において外注先管理の在り方を見直し、監視不足による不具合発生の未然防止
  • グループ各社の環境・安全・品質に関する監査を行い、課題や改善点の抽出を実施
  • 新規事業における特殊規格などへの対応準備を進めるとともに、品質マネジメントに則った製品安全の確認を実施

品質マネジメントシステム

当社は、1995年度にISO 9001を取得*し、品質マネジメントシステムの運用を維持、継続しています。設計・開発から販売までの各段階において、ISO 9001をもとにした社内ルールを整備し、お客様に安全な製品を提供し安心してご使用いただけるように、日々、適切なシステムの運用と改善に取り組んでいます。

  • * 認証取得部門、認証範囲は弊社までお問い合わせください。
品質マネジメントシステム

品質向上に向けた取り組み

グループ会社を含めた品質管理強化の取り組み

品質管理に対するお客様や社会の関心は高まるばかりであり、品質検査の正確性がより重要視されています。当社では、グループ会社全体の品質管理のレベル向上を目指し、2019年度から当社の品質保証担当がグループ製造会社の品質保証部門を訪問し、監査や調査を実施しています。この活動を社外の視点でチェックを受ける良い機会とするばかりでなく、意見交換を通じてグループ共通課題の掘り起こしと、改善へ向けた活動の方向性を見出す機会としています。

製品の異物混入対策に焦点をあてた改善活動

当社の製品には、「NEWクレラップ」を代表とする食品包装材がありますが、製品への異物混入防止は、お客様の信用の根幹に関わる、最も重要な品質管理項目です。原材料の購入から店頭に製品が並ぶまでの過程で、従業員一人ひとりが「絶対に異物を混入させない」という意識を高め、「食品包装材に携わる仕事」に対する責任と自覚を強くもちながら行動することが必要です。さまざまな取り組みを通じて、品質管理の意識向上に努めています。

お客様満足のための基本方針

クレハでは、家庭用品に関して、「品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針『ISO 10002/JISQ 10002』」に則った「お客様対応方針・行動指針」を定めています。この方針を当社の一貫したお客様対応の拠りどころとするとともに、方針に則った対応により、お客様対応品質の継続的改善とお客様満足の向上に努めています。また、当社では、外部から寄せられる製品への情報に迅速かつ適切な対応を図るため、「お客様の声ワークフロー」という情報管理システムを導入し、お客様からの苦情への対応や新たな商品開発に活用しています。
私たちは、お客様の声をしっかりと受け止め、一人ひとりが明確な目標を立て、 着実に目標を達成しながら、お客様にとって一番うれしい商品を提供できるよう努めます。

行動指針

  • 私たちは、お客様に安全な製品を提供し、安心してご使用いただくことに努めます。
  • 私たちはお客様に一層満足していただけるように、お客様からいただいた貴重な声を共有し、製品とサービスの品質向上に努めます。
  • 私たちは、お客様からの声を真摯に受け止め、公平・公正な対応を基本として、誠意をもって迅速に行動します。
  • 私たちは、自ら立てた品質目標を達成しながら、商品とサービスの品質を継続的に改善していきます。
  • 私たちは、関連する法規および社内の自主基準を遵守します。
  • 私たちは、不当な要求に対しては毅然とした対応を行います。

目標 / あるべき姿

  • 「お客様対応方針・行動指針」に則した活動を推進し、顧客満足の向上に向け、継続的な改善に取り組む。

2022年度計画

  • 対応スピードとともに、それぞれのお客様に合った対応の実施
  • お客様からのお問い合わせについて迅速かつ丁寧な説明の実施

2022年度報告・成果

  • 初期対応をほぼ当日で完了(一部の特殊なケースを除く)
  • 調査報告をほぼ2週間以内で完了(一部の特殊なケースを除く)
  • 当社の家庭用品に対する苦情の原因究明と対策を実施していく過程での、さらなる改善点の明確化

お客様対応プロセス

「NEWクレラップ」や「キチントさん」など当社の家庭用品を愛用いただくお客様からの苦情やご要望、お問い合わせなどは、お客様相談室を窓口として情報管理しています。これらの「生の声」情報を開発部門、製造部門、品質保証部門などの関連部署と共有し、調査依頼のあった苦情案件に迅速に対応するため、2014年度に「お客様の声ワークフロー」という情報管理システムを導入しました。このシステムを活用して、関連部署が協働して原因究明、不具合の是正などの予防処置を実施し、苦情の未然防止や再発防止に取り組んでいます。
お客様からの情報は、システムの運用開始以来、数万件を超え、貴重なデータベースとなっています。これらの情報を整理・解析し、既存製品の改良や新商品の開発へも活用することで、より便利で使いやすい商品の開発・提供に努めています。
また、品質問題が発生した場合でも対応を迅速化しトラブルを最小限にとどめるため、出荷先を生産ロットごとに記録するトレーサビリティシステムも、2008年から導入しています。お客様の信頼を継続するためのシステムとして、今後も活用していきます。

お客様対応プロセス
お客様の声ワークフロー

お客様とのエンゲージメント

お客様相談室を通していただくお電話やお手紙、Eメールに真摯にお応えするなどのコミュニケーションの他、直接ご自身で商品情報を収集されたいお客様に向けて、ウェブ上の特設サイト「クレライフ」を通しての情報開示にも努めています。商品の使用方法については動画やイラストを用いて、安全面や衛生面については平易な表現となるよう、わかりやすさに配慮しています。

商品改良に対する社外の評価

「NEWクレラップ」「キチントさん」受賞の歴史

「NEWクレラップ」や「キチントさん」は、お客様満足向上のために、これまで既存製品の改良や新商品の開発を継続してきました。その結果、社外から数多くの評価をいただいています。

安全審査

当社では、製品に関わるコンプライアンス遵守と安全性確保のため、安全審査に関する社内規程を定めています。家庭用品から一般工業品まで幅広い製品を提供しているため、審査では製品の使用分野や対象となるお客様、製造・品質管理・輸送・使用方法などを多面的にチェックしています。さらに、安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)や表示ラベル、製品カタログなどの各種提供情報についても、実際に使用されるお客様の立場を想定して確認し、安全・安心な製品・情報を提供するよう努めています。
商品の同梱物やカタログ、広告宣伝物などの文書に関わる審査状況は、以下の通りです。

安全文書審査の実施状況

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
審査数(件) 177 136 196 149 165

安全性評価

当社はさまざまな分野で新しい化学製品を開発し、製造・販売しています。化学製品は私たちの生活を豊かにするものですが、使用目的と使用環境において、安全性が確保されたものでなくてはなりません。化学製品の悪影響も評価し、トラブルを未然に防止することは持続可能な社会の維持・発展につながります。「人と自然を大切にします」を企業理念として掲げる当社において、化学製品の安全性確保は重要な課題です。
安全性研究・評価センターでは、当社で開発・製造・販売する製品や使用する化学物質について、「人の健康」と「環境」に及ぼす影響を評価し、安全性を確認しています。各種規制の把握や専門的な知識と技術に加え、最新の科学的手法や知見を取り入れた安全性評価を行い、安全で安心できる製品の開発・製造・販売に貢献しています。