コーポレート・ガバナンス

当社は、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を指針として、経営の透明性を高めて ステークホルダーとの信頼関係を確保し、企業としての持続的な成長と社会的責任を果たしています。また、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスの充実に努め、実効性の向上を図ります。

基本的な考え方

当社は、コンプライアンスの実践を含む内部統制機能の充実を図り、公正かつ透明性の高い経営を行うとともに、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を指針としてコーポレート・ガバナンスの実効性を高め、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。

コーポレート・ガバナンス体制

当社は、コーポレート・ガバナンスの強化およびグループ経営における意思決定や業務執行の迅速化を図るため、経営における監督責任と執行責任を明確にしています。

取締役会

取締役会は、独立社外取締役3分の1以上を含む、合計10名以内で構成し、重要な経営事項の決定と業務執行の監督を行っています。選任にあたっては、企業経営の経験を最も重視するとともに、異なる専門分野やバックグラウンドを組み合わせることにより、取締役会全体としての知識・能力・経験のバランス、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含 む多様性、更に員数を適正規模とすること等を総合的に考慮し、取締役の選任を実施します。

経営会議

経営会議は、代表取締役社長以下の執行役員を主要メンバーとして構成し、当社の経営に関する重要案件などについて審議しています。また、連結経営会議では、経営方針や事業戦略について相互に意見交換を行い、連結経営の強化を図っています。

監査役会

監査役会は、独立社外監査役2名以上を含む4名以内の監査役で構成し、財務・会計に関する適切な知見を有しています。監査役は、取締役会の決議事項や報告事項の審議過程を把握し、その職務執行の監査を行います。また、会計監査人・内部監査部との間で監査計画・監査状況について意見交換を行い、相互に連携を図っています。

会計監査人

会計監査人には、EY新日本有限責任監査法人を選任し、当社より経営情報を正しく提供するなど、公正不偏な会計監査を受けています。

内部監査部

他部門から独立した内部監査部は、会社の内部管理体制などの適切性や有効性を評価検証し、改善に関する指摘や提言、取締役会などへの監査結果の報告を行うことにより、経営効率および社会的信頼度の向上に寄与する体制を確保しています。

指名委員会(任意)

指名委員会は、取締役会長、代表取締役社長、代表取締役、取締役の選任・解任に係る事項、ならびに代表取締役社長の後継者候補とその育成計画に係る事項、役付執行役員および執行役員の選任・解任に係る事項を審議し、取締役会への付議内容を検討します。

報酬委員会(任意)

報酬委員会は、取締役会長、取締役社長、代表取締役、取締役、役付執行役員および執行役員の報酬に係る事項を審議し、取締役会への付議内容を検討します。

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の機能の向上を図るため、その実効性について毎年分析・評価を行い、その結果の概要を開示することとしています。当社では、2015年度から2020年度まで、評点方式の質問票による取締役会の実効性評価を実施し、この過程で、評点の低い項目を中心に継続的に改善に取り組み、任意の指名委員会および報酬委員会の設置、取締役会運営の効率化等を進めました。その結果、すべての項目において、評点が高い水準に至ったため、2021年度の取締役会の実効性評価から、当社取締役会がその役割・機能をより高いレベルで果たすため、本質的な課題 を共有し、その課題解決への取組みを議論することを目的に、更に改善すべき事項や優先的に議論すべき事項等を具体的に記述するアンケート方法を採用しています。2022年度も、このアンケートによる結果に基づき取締役会において審議しました。具体的には、(1)取締役会の規模・構成(2)取締役会の運営、(3)取締役会の議論、(4)指名・報酬・監査、(5)優先的に取り上げるべきテーマ・経営課題について評価を行った結果、直ちに対応すべき指摘事項はなく、取締役会におけるジェンダーダイバーシティも進展し、取締役会全体の実効性が確保されていることを確認しました。 一方、経営層を含む人財育成については、継続して議論を深めていくべき課題であることを確認しました。2022年度の評価と審議の結果を踏まえて、取締役会の審議をより一層充実させるための取組みを進めるとともに、2023年度は新中長期経営計画「未来創造への挑戦」の実践、人財育 成に対する議論を更に深めてまいります。

コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス図

当社取締役および監査役が有する専門性・経験

当社取締役および監査役が有する専門性・経験

コーポレートガバナンス・ガイドライン/コーポレートガバナンス報告書

内部統制システム

「内部統制システムの基本方針」を取締役会で決議し、当社グループが法令を遵守し、業務を適正に遂行する体制を確保するよう、各種委員会等の設置や社内規程の整備および法令への対応を進めています。また、毎年「内部統制システムの運用状況」をレビューし、その概要を事業報告に掲載しています。「財務報告に係る内部統制」に関しては、基本規程を制定し、金融商品取引法に定められた「財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価および公認会計士等による監査」を実施し、財務報告の信頼性の確保を図り、代表取締役の責任のもと、「内部統制報告書」を作成し提出しています。

役員報酬について

  • 取締役会は、取締役・執行役員の報酬等について、企業業績と中長期的な企業価値の向上を反映するとともに、適切な人財の確保と維持を考慮し、求められる役割と責任にふさわしい報酬体系および報酬水準とします。
  • 取締役の報酬は、金銭報酬である①基本報酬および②業績連動報酬等としての賞与、非金銭報酬である③事前交付型譲渡制限付株式報酬および④業績連動報酬等としての業績連動型譲渡制限付株式報酬により構成します。但し、社外取締役の報酬は、その役割に鑑み、基本報酬のみとします。
  • 執行役員の報酬は、金銭報酬である①基本報酬および②業績連動報酬等としての賞与、非金銭報酬である③事前交付型譲渡制限付株式報酬により構成します。
  • 取締役および執行役員の報酬制度の変更は、他社動向等を総合的に勘案し、取締役会の任意の諮問機関である報酬委員会の審議を経て取締役会で決定します。
役員区分ごとの報酬などの総額、報酬などの種類別の総額および対象となる役員の員数 図

株式の保有状況

投資株式の区分の基準および考え方

当社は、株式の価値の変動または株式にかかる配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的の株式、それらの目的に加えて、現在に至る取引状況や当社の持続的、中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を純投資目的以外の株式と区分しております。なお、当社は純投資目的の株式は保有しておりません。

保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式

保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容

当社は、現在に至る取引状況や当社の持続的、中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合に、取引先等の株式を保有します。純投資目的以外の株式の保有については、取締役会において、保有目的が適切であり、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っている銘柄か否かを精査し、保有意義を検証しています。
保有意義の薄れた株式については、取引先との対話、市場への影響、有効な資金活用の有無等を総合的に考慮した上で、段階的に削減を進めていきます。2022年度においては5月17日の取締役会での検討結果等により、2銘柄を削減することとし、2023年3月末時点では50銘柄を保有しております。(3銘柄のうち1銘柄は全保有株式を売却。)

リスク・マネジメント

当社グループでは、経営に悪影響を及ぼすリスクを全社的に把握し、その顕在化を未然に防止し、また、リスクが顕在化した場合の影響を軽減して許容範囲に収めるよう、必要な対応策を予め講じ備えておくことをリスク・マネジメント基本方針としております。当社では「リスク・マネジメント規程」を定め、リスク・マネジメントの推進・統括のために、サステナビリティ推進委員会の下部組織としてリスク・マネジメント部会を設置し、その役割を以下としております。

1. 当社のリスク・マネジメントに関する年度計画の策定および進捗管理
2. 当社に存在するリスクの特定および分析・評価
3. 2.の分析・評価に基づき、「重要リスク」と評価されたリスクへの対応策の検討・実施、実施状況のモニタリング
4. 当社のリスク・マネジメント・システム(体制、実施プロセスを含むリスク・マネジメントの仕組み)の維持、是正・改善の実施
5. 当社グループ各社のリスク・マネジメントの支援
6. 当社事業継続計画(BCP)推進のための取組み、運用および改善の取組みの検討
7. その他リスク・マネジメントに関すること

コンプライアンス

コンプライアンス体制

  • 当社および当社グループ会社は、「クレハグループ企業行動憲章」に則り、各社で「コンプライアンス規定」を定めて、国内外の法律、社会的規範およびその精神の遵守に努めています。
  • 当社は、代表取締役社長または代表取締役社長が指名した取締役または執行役員を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、部門横断的にコンプライアンス体制の整備および維持運営を担うコンプライアンス部会を下部組織として設置しています。「クレハグループ企業行動憲章」に基づく「クレハコンプライアンス行動基準」等により、当社におけるコンプライアンスの徹底を図るとともに、当社グループ会社におけるコンプライアンスの徹底を支援しています。
  • 当社および当社グループ会社は、コンプライアンスに違反する行為を早期に把握し迅速に対処するために、「コンプライアンス相談窓口取扱規定」を定めて、社内および社外(弁護士)にコンプライアンスに関する報告や相談を受け付けるコンプライアンス相談窓口(ホットライン)を設置しています。
  • 経理部門を統括する取締役または執行役員を委員長とする財務報告に係る内部統制委員会を設置し、「財務報告に係る内部統制基本規定」を円滑に運用することによって。財務報告の信頼性の確保を図っています。