2020.12.24

お知らせ

「令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰」受賞 「発電由来燃焼灰の改質による超低環境負荷型コンクリート製品の実現」

株式会社クレハ、西松建設株式会社、北九州市立大学 高巣・陶山研究室、日本アイリッヒ株式会社、九州工業大学大学院 合田研究室が共同研究している「発電由来燃焼灰の改質による超低環境負荷型コンクリート製品の実現」が、環境省主催の令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰における「開発・製品化部門(緩和分野)」の環境大臣表彰を受賞しました。

「気候変動アクション環境大臣表彰」は、環境省が気候変動の緩和及び気候変動への適応に関し顕著な功績のあった個人又は団体を表彰するもので、これまでの「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」が今年度よりリニューアルされたものです。

 

受賞の概要

建築業の基幹材料であるコンクリートのCO2排出量は、その90%以上がセメントに由来していることから、近年、セメントに比べて極めて環境負荷の小さい新たな建築材料であるジオポリマーが注目されています。ジオポリマーの生成には活性フィラーが必要であり、発電由来燃焼灰や高炉スラグ微粉末等が用いられていますが、発電由来燃焼灰を活性フィラーとして使用するには、コンクリートの流動性に悪影響を及ぼすため未燃炭素を3%以下にする必要があります。

このたび受賞した技術は、独自の浮遊選鉱技術を利用して、産業廃棄物として排出された発電由来燃焼灰から効果的に未燃炭素を除去する改質技術および装置を開発し、改質燃料灰を使用したセメントフリーなジオポリマーコンクリート二次製品の製造を可能とするものです。本技術により従来のコンクリート製品に比べCO2排出量を50%削減でき、建築材料分野における気候変動抑制に貢献できるとともに、発電由来燃焼灰を有効活用し環境循環を促進できる点が評価されました。

当社いわき事業所は石炭火力発電設備を保有しています。そこから排出される発電由来燃焼灰は産業廃棄物として処理をする必要があり、地球環境保全においての課題と認識していました。 本研究開発では、当社の発電由来燃焼灰を改質した改質燃焼灰を使用するとともに、当社いわき事業所の発電施設周辺にジオポリマーコンクリート二次製品である縁石を施工することにより実用化を実証しました。

当社はこれからも気候変動や資源循環への取り組みを積極的に進め、持続可能な社会の発展に貢献することを目指してまいります。

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