トップメッセージ

GRI 2-22

トップメッセージ

クレハグループを取り巻く事業環境の変化を踏まえ、「中長期経営計画『未来創造への挑戦』」の2年目である2024年度に、今後の持続的成長による企業価値向上を確かなものとしていくため、「クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025」をスタートさせました。しかし、特に電気自動車(EV)市場の成長停滞から、2024年度の業績は減収減益となりました。稼ぐ力を向上させるためには、最重要施策の「技術立社の再興」「経営基盤の強化」「会社と社員の共生」の3つを加速して実現させる必要があります。
技術立社の再興は、各事業の成長を描くために必要不可欠です。重点事業分野である「環境・エネルギー」「ライフ」「情報通信」における新商品開発や新規事業の開拓に資源を集中し、差別化された商品の開発を加速しています。新規事業の芽もいくつか出ています。また、競争力のあるコスト構造への変革、成長事業の生産体制構築、カーボンニュートラルに向けた技術検討を着実に進めています。市場を見て、顧客を見て、自らの課題を見ることにより、当社グループの技術に、もっともっと磨きをかけることができると考えています。
経営基盤の強化のひとつは、取締役会の実効性向上です。取締役会実効性評価を行ったところ、重要テーマについての議論が十分に行われていないとの課題があげられました。そこで、あらかじめ特定した経営上の重要テーマについて、計画的に十分な議論を行うように見直しを行いました。もうひとつは、DXの推進です。当社グループのDXを効率的かつ戦略的に実行するために、2024年10月、DX実行委員会を設置し、私自身が委員長を務めています。経営の視点で業務変革を進めています。
会社と社員の共生は、人を大切にする経営の実現です。2023年度から開始したエンゲージメントサーベイからは、当社従業員の仕事に対する熱意は業界平均より高いものの、会社の目指す姿に対する理解・共感は業界平均レベルにとどまり、部門や年代によっては平均を下回ることが示されました。従業員が、「クレハで働きたい」「クレハで挑戦したい」と思えるよう、そして、グループ一丸となって挑戦・成長した結果として経営目標を実現できるよう、「伝える」から「伝わる」へ変えたコミュニケーションを実践していきます。
当社グループは、株主の皆様をはじめとするステークホルダーとの対話を大切にしています。いただいた貴重なご意見を反映し、企業価値の向上に取り組み、持続的な成長を実現してまいります。
今後も、皆様のご理解とご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2025年8月

代表取締役社長

小林 豊