コンプライアンス
クレハグループは、コンプライアンスを社会および企業の持続可能な発展を追求するサステナビリティ経営を支える根幹であると認識しています。2025年5月に発生した重大なコンプライアンス違反を受け、その重要性を改めて認識し、実効性の向上に経営として取り組んでいます。グループ各社の経営層・従業員は、企業活動のあらゆる場面において、国内外の関係法令を遵守するとともに、社会的規範に則った活動を実践します。
方針
当社グループでは、コンプライアンスを法令・規則の遵守にとどまらず、事業活動のあらゆる場面において社会的責任を自覚し、誠実に行動することと捉えています。経営層は、コンプライアンスの実効性確保に責任を負うとともに、従業員一人ひとりが主体的に行動できるよう、継続的な周知・教育に取り組んでいます。また、「クレハグループ企業行動憲章」を定め、グローバルに事業を展開する企業グループとしての基本姿勢と共通の理念・価値観を示しています。これを踏まえ、経営層および従業員が日々の業務において判断・行動するための基準として「クレハグループ行動規範」を策定し、法令・社会規範・企業倫理に基づく活動を実践しています。
当社グループでは、特定分野におけるコンプライアンスの徹底を目的として、以下の方針およびガイドラインを定め、グループ内で展開しています。
クレハグループ贈収賄防止方針
GRI 205-2
当社グループは、「クレハグループ企業行動憲章」および「クレハグループ行動規範」に基づき、贈収賄などの不正行為を禁止し、公正で透明性の高い取引の確保に努めています。これらを具体的に実践するため、「クレハグループ贈収賄防止方針」を定め、経営層・従業員に周知しています。
クレハグループ税務方針
GRI 207-1, GRI 207-2, GRI 207-3
当社グループは、各国・地域の税務関連法令を遵守し、適正な申告・納税を行うことを基本方針として、「クレハグループ税務方針」を定めています。
マネジメント体制
GRI 2-24, GRI 205-1, GRI 207-1, GRI 207-2, GRI 207-3
GRI 2-24, GRI 205-1, GRI 207-1,
GRI 207-2, GRI 207-3
当社グループは、2025年5月に発生した重大なコンプライアンス違反を踏まえ、コンプライアンスを経営層が主体的に管理・監督すべき重要な経営課題と位置付け、2025年10月に体制強化を目的としてコンプライアンス委員会およびコンプライアンス部を設置しました。コンプライアンス委員会は、代表取締役社長を委員長とし、全社的なコンプライアンスの取組みについて基本方針や重要事項を審議し、その推進状況をモニタリングしています。
委員会で検討された強化計画や対応状況は、経営会議において報告・審議され、より実効性の高い施策へとつなげています。また、取締役会は、これらのプロセスを通じてグループ全体のコンプライアンス体制が適切に整備・運用されているかを監督しています。コンプライアンス部は委員会の事務局として、教育・啓発活動や相談窓口の運営などの実務を担い、委員会による取組みが着実に実行されるよう支援・推進しています。社長直轄の内部監査部は、当社グループを対象とする内部監査を通じて、コンプライアンスを含む内部管理体制の適切性および有効性を独立した立場から評価・検証しています。
また、当社グループでは、税務コンプライアンスについてもグループ方針を定め、経営層の監督のもと、適切な管理と運用を行っています。
目標・実績
GRI 205-3
| KPI | 対象範囲 | 2024年度 実績 |
2025年度 実績 |
2025年度 目標 |
|---|---|---|---|---|
| クレハグループの損益や操業に 大きな影響を与える 重大な法令などの違反の件数 |
クレハ | 0 | 1 | 0 |
| 国内グループ会社 | 0 | 0 | 0 | |
| 海外グループ会社 | 0 | 0 | 0 |
2025年度において、コンプライアンス違反に起因する従業員の解雇、および腐敗に関連する罰金、課徴金および和解金は発生していません。
当社グループでは、重大な違反件数の削減と同時に、問題を早期に把握し、是正につなげることを重視しています。相談・通報件数や意識調査の結果についても継続的に確認し、課題が小さい段階で顕在化すること自体を健全な状態と捉え、改善に活かしています。
取組み
コンプライアンス教育
GRI 2-24, GRI 205-1, GRI 205-2
クレハでは、従業員一人ひとりがコンプライアンスを自らの判断と行動のよりどころとして実践できるように、全従業員を対象に定期的な教育を行っています。
当社国内グループでは、3年に1度、コンプライアンスに関する意識調査を実施し、従業員の理解度や課題を把握するとともに、教育内容や施策の検討に活用しています。直近の意識調査の結果については、課題を明確化した上で、コンプライアンス強化計画の策定および教育内容の見直しに反映しました。
2025年度は、こうした見直しを踏まえた次の教育展開に備える年として位置付け、クレハグループ行動規範の解説と新規採用者や役割に応じた重点教育を中心に実施しました。具体的には、以下の教育を行いました。
- ー 全従業員に対する行動規範ハンドブックの解説
- ー 新規採用者および幹部社員昇進者に対する集合教育とeラーニング
- ー ホットライン窓口担当者への実務対応教育
また、当社国内グループでは、コンプライアンスグループ情報交換会などを通じて、グループ全体でのコンプライアンス意識の醸成およびコンプライアンス体制の維持・強化に取り組んでいます。2025年度の主な活動は下記の通りです。
- ー クレハとグループ会社の教育や事案対応についての情報交換会
- ー 安全保障貿易管理に関する教育
- ー 中小受託取引適正化法遵守に関する教育
- ー 独占禁止法遵守、個人情報保護などに関するレビューなど
腐敗リスクの把握と管理
当社では、公務員等に対する接待、贈与等をはじめとする腐敗リスクを、重要なコンプライアンスリスクのひとつとして認識しています。事業内容や地域特性を踏まえ、当該リスクを適切に把握した上で、社内規程に基づき適切な管理を実施しています。具体的には、公務員等に対する接待・贈与等に関するモニタリングを行うとともに、コンプライアンス委員会において法令違反および社内規程違反を含む事案の報告・分析を行い、再発防止および管理体制の継続的な改善に取り組んでいます。また、当社ではコンプライアンス教育の一環として、贈収賄防止を含む腐敗防止に関する教育を実施し、従業員に対して関連法令や社内規程の理解促進を図っています。
内部通報制度
GRI 2-16, GRI 2-25, GRI 2-26, GRI 403-2
当社グループでは、コンプライアンス上の問題を早期に把握し、適切な是正や再発防止につなげるため、従業員が安心して相談・通報できる内部通報制度を設けています。従業員がコンプライアンスに関して問題のある行為を知ったときや、疑義が生じたとき、判断に迷うときに報告や相談をするために相談窓口(ホットライン)を利用できます。製品・安全、人権、環境、安全衛生、公正・自由な競争(カルテルや、健全な商慣習から外れる取引先との接待や贈答を含む)、政治・行政・社会との関係(違法な献金や寄付、癒着などの懸念がある行動を含む)、汚職防止など、コンプライアンスに関する幅広い相談・通報が対象です。なお、ホットラインに報告や相談をしたことを理由に、相談者に対して不利益な取り扱いをすることや相談者を探索することは、社内規程により禁止しています。
報告や通報は速やかにコンプライアンス委員長に報告されます。集約された内部通報は、代表取締役社長および取締役会に報告されます。
また、当社では弁護士が対応する社外相談窓口や、女性相談員が対応するハラスメント専用窓口を設置するなど、利用しやすさと信頼性の向上に努めています。加えて、自主的な申告を促すため、社内リニエンシー制度(自主申告者の処分減免)も導入しています。
2025年度の内部通報件数は27件でした。処分が必要と判断された案件については、社内規程に基づき、適切に対応しています。
カスタマーハラスメントへの対応
お客様や取引先からの正当なご意見・ご要望に誠実に対応する一方、社会通念を超える不当な要求や言動から従業員の尊厳と安全を守るため、組織として毅然とした対応を行うとともに、当社の経営層・従業員がハラスメントの加害者にならないようにするために、2026年6月に「カスタマーハラスメント対応方針」を定めました。
就活ハラスメントへの対応
就職活動やインターンシップ等において、求職者が安心して選考に臨める環境を提供し、いかなるハラスメント行為や人権を侵害する行為も容認しないことを明確にするために、2026年6月に「就活ハラスメント防止方針」として、求職者との面談ルールや禁止行為を定めました。
取引先通報制度、求職者(就活生)通報制度
GRI 2-29, GRI 207-3
当社グループでは、取引先との関連において生ずる法令違反や企業倫理上の問題についても早期に把握し、適切な対応につなげるため、2025年度に「お取引先専用相談窓口」を設置し、2026年度には対象者を求職者まで拡大した「取引先・求職者相談窓口」へと拡充しました。
当社グループとの取引または求職活動に関連して、法令違反や企業倫理違反行為、またはその疑いがある行為を認識された場合には、本窓口を通じて通報いただくことができます。
受領した通報情報は、通報者のプライバシーに十分配慮して取り扱います。また、通報を妨げる行為や通報者の探索、通報を理由とした不利益な取り扱いが生じることのないよう、適切に対応しています。
■ご利用対象者
- 当社および国内グループ各社と継続的に業務上の取引をしている取引先の経営層・従業員の方
- 当社および国内グループ各社と業務委託関係にある特定受託業務従事者(フリーランス)の方(業務委託関係が終了して1年以内の方を含みます)
- 当社および国内グループ各社に対する求職活動を行っている方
■相談・通報先
- 株式会社クレハ コンプライアンス委員会事務局
(法令違反や企業倫理違反とは無関係な事項や誹謗・中傷などの不正な目的での通報はご遠慮ください)
税務に関する管理
GRI 2-16, GRI 2-25, GRI 2-26
当社グループでは、グループ税務方針に基づき、税務関連法令を遵守し、適切な管理と運用を行っています。2025年度において、税務リスクに関する重大な問題は確認されていません。
サプライチェーンにおけるコンプライアンスの推進
GRI 205-2
当社グループでは、取引先と当社グループの双方が遵守するべき行動の基準として、「クレハグループサプライチェーンCSRガイドライン」を定め、サプライチェーン全体におけるコンプライアンスの徹底を図っています。本ガイドラインには、法令遵守・国際規範の尊重、公正取引・倫理など、コンプライアンスに関する基本的な考え方を明記しています。取引先に対しては、これらの要求事項を自社の取引先にも展開し、遵守状況を確認する仕組みを構築するよう依頼しています。また、ガイドラインの遵守状況については、サプライチェーンCSR調査により確認するとともに、取引先からガイドラインへの同意書を取得しています。