化学物質管理・大気汚染防止・水使用と水質汚濁防止
化学物質管理
GRI 417-1
化学物質は産業および日常生活において不可欠である一方、環境や人の健康に影響を及ぼす可能性があります。クレハは、このようなリスクを認識し、国内外の化学物質に関する法規制を遵守するとともに、製品の開発から廃棄・リサイクルにいたるライフサイクル全体において、化学物質の適正管理を推進しています。特に、REACH規則をはじめとする各国規制への対応を最重要リスクと位置付け、社内の専門部署による統合的な管理体制を構築し、法令遵守およびリスク低減に取り組んでいます。
取組み
各国法規制対応
当社は、各国の法規制に基づく、禁止・制限物質の不使用確認、化学物質の登録・届出などに適切に対応することで法規制の遵守に努めています。特に、「安全性データがなければ市場に供給できない(No data, no market)」という厳格な原則をもつEU等のREACH規則(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)への対応については、適正なデータに基づく登録対応や情報整備をはじめ、以下の取組みを実施しています。
- EU域内での製品販売にあたり、対象物質について適切な登録・届出を実施
- 高懸念物質(SVHC)の情報収集および製品含有状況の把握
- 法規制の改正動向の継続的なモニタリングと社内展開
- 必要に応じた代替物質の検討・導入によるリスク低減
- サプライチェーンにおける情報伝達(SDS・含有化学物質情報)
含有化学物質情報の管理と情報開示
当社は、当社製品に含まれる化学物質の有害性情報を収集・評価しています。以下の方法で適切に情報開示を行うことにより、お客様をはじめとする関係者に対して安全な使用のための情報を透明性高く提供しています。
- 安全データシート(SDS)の作成・提供
- GHSに基づくラベル表示
- お客様からの含有化学物質調査への対応
- サプライチェーン内での情報共有
グリーン調達およびサプライチェーン管理
グリーン調達は、サプライチェーン全体で環境リスクを低減し、持続可能な調達を実現するための重要な取組みです。当社は、製品ライフサイクル全体での環境負荷低減を目指し、当社の「グリーン調達ガイドライン」に基づき、環境規制、化学物質規制への対応を推進しています。
- 環境負荷の低い原材料・部品の優先調達
- 法規制対象物質(REACH、RoHS等)の含有状況確認
- サプライヤーに対する化学物質管理・環境対応の要請
- 必要に応じたサプライヤー調査・評価
管理体制の強化と教育
当社は、化学物質管理の実効性を高めるため、以下の取組みを継続することにより、コンプライアンス意識の向上と継続的改善を図っています。
- 専門部署を中心とした社内管理体制の構築と社外コンサルタントとの連携
- グローバル法規に関する社内教育の実施
- 関係部門への定期的な化学物質管理規制情報の共有
- 海外規制(REACH等)に関する専門知識の強化
化学物質の排出量削減
当社は化学物質による環境負荷をできるだけ小さくするために、生産活動にともなって事業所から排出される化学物質の削減を継続的に進めています。また、化学物質排出把握管理促進法に基づくPRTR制度に従い、毎年、第一種指定化学物質の排出量(大気、公共水域、土壌、事業所内埋立)および移動量(下水道、事業所外)を把握して自社の状況を確認するとともに、公表しています。該当する各物質の排出量を削減するために、設備の改善検討や安定運転の継続を図るとともに、設備の増設や新設の際には、設計段階から環境負荷を抑制する方策を検討しています。
大気汚染防止
当社グループでは、生産拠点からの大気排出が環境や地域社会へ与えうる影響を十分に認識し、これを最小限にすることを重要課題のひとつとして継続的に取り組んでいます。
当社の主力生産拠点であるいわき事業所は、当社からの大気排出量の大半を占めています。このいわき事業所では、大気汚染防止法と福島県条例(福島県生活環境の保全等に関する条例/大気汚染防止法に基づく排出基準及び水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例)で定められた排出基準を遵守しています。
さらに、2022年2月にいわき市と公害防止協定を再締結し、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)およびばいじんなどの排出量について、より厳正な上限値を定めて、これらの値を大きく下回る運転を継続しています。
目標・実績
| KPI | 対象範囲 | 2024年度実績 | 2025年度実績 | 2025年度目標 |
|---|---|---|---|---|
| 外部(敷地外)に被害を及ぼした 重大事故件数:大気汚染 |
クレハ | 0 | 0 | 0 |
いわき市との公害防止協定に基づくばい煙発生施設の測定結果情報
水使用と水質汚濁防止
GRI 303-1, GRI 303-2, GRI 303-4, SASB RT-CH-140a.3
GRI 303-1, GRI 303-2, GRI 303-4,
SASB RT-CH-140a.3
水資源は当社グループの生産活動に欠かせないものであるとともに、地球にとってかけがえのない資源です。その保全は世界的に重要な課題と認識しており、私たちも重要課題のひとつとして取り組んでいます。
当社の主力生産拠点であるいわき事業所は、化学製品の製造プロセス(加熱、冷却、洗浄、副生成物除外など)で多くの水を使用しており、当社の水使用の大半を占めています。排水処理設備から河川・海域へ排出される排水については、環境や地域社会へ与えうる影響を十分に認識し、各法規制に基づき適正管理に努めるとともに、環境負荷低減に取り組んでいます。
目標・実績
| KPI | 対象範囲 | 2024年度実績 | 2025年度実績 | 2025年度目標 |
|---|---|---|---|---|
| 外部(敷地外)に被害を及ぼした 重大事故件数:水質汚濁 |
クレハ | 0 | 0 | 0 |
2025年度は、水質汚濁防止法に関する環境法令違反は発生していません。
2025年度の北米の地表水の排出量が増加していますが、主な理由は、需要増による生産増によるものです。
また、当社グループにおける、水リスクの評価は生物多様性の保全に記載しています。
取組み
いわき事業所の取組み
いわき事業所では、水質汚濁防止法と福島県条例(福島県生活環境の保全等に関する条例/大気汚染防止法に基づく排出基準及び水質汚濁防止法に基づく排水基準を定める条例)で定められた排出基準を遵守しています。さらに、2022年2月にいわき市と公害防止協定を再締結し、化学的酸素要求量(COD)などについてより厳正な上限値を定め、これらの値を大きく下回る運転を継続しています。各製造現場では日々、排水処理設備を含むすべての設備において安定運転に努め、さらに設備の改善検討や水質監視機器の更新を随時実施するなど、排水管理を徹底し環境負荷の低減を図っています。また、さらなる環境負荷低減を目指し、総合排水処理設備を増設しました。
樹脂加工事業所の取組み
霞ヶ浦流域にある樹脂加工事業所茨城地区では、水質汚濁防止法および茨城県霞ケ浦水質保全条例に定める排出基準に従い、毎月の水質検査を行うとともに、日常パトロールと排水pHの連続監視を行っています。柏原地区においても自主的な水質分析を行っていますが、2022年度には排水pHの連続監視も開始して適正な管理を継続しています。両地区ともに工業用水として地下水を揚水して使用しているので、工業用水法および地下水の採取に関わる県の条例に従って、適切な採取量管理も行っています。
国内グループ会社の取組み
クレハエクストロン株式会社、レジナス化成株式会社では、生産工程に使用している冷却水の一部に循環水を使用しています。クレハ合繊株式会社では、定期的に送水ポンプの水量計を確認し、地下水の使用量を把握しています。株式会社クレハ環境の産業廃棄物中間処理施設であるウェステックかながわでは、排水の再利用、復水設備による発電利用蒸気の再利用を行っています。
海外グループ会社の取組み
呉羽(上海)炭繊維材料有限公司では、生産工程に使用している冷却水において、冷水塔で熱交換した水を循環させています。呉羽(常熟)フッ素材料有限公司では、排水リサイクルシステムを導入しています。生産活動で使用した工場からの排水を生物処理し、UF膜とRO膜を組み合わせたリサイクルシステムを経て、再度、純水製造装置に通水することで、総排水量の約70%の水を工場で再利用しています。KUREHA VIETNAM CO., LTD.では、2016年から冷却水のリサイクルを開始し、クレハロンフィルム製造ラインにおける冷却水廃棄量を従来の1/160にまで削減しました。