事業を通じた環境や社会課題への貢献

クレハグループは、化学をベースとした事業を通じて、「安定した食料生産への貢献」「快適な暮らしへの貢献」「エネルギーの多様化への貢献」「情報社会の発展への貢献」など、社会課題の解決に貢献しています。

事業を通じた社会価値

事業 提供する社会価値 関連するSDGs

アグロ製品

▸安定した食料生産への貢献 2, 12

家庭用品

▸快適な暮らしへの貢献 2, 5

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)

▸エネルギーの多様化への貢献 7, 9

ポリグリコール酸(PGA)

▸エネルギーの多様化への貢献 7, 9

ポリフェニレンサルファイド(PPS)

▸省エネルギーへの貢献

▸電子機器の信頼性向上への貢献

9, 13

マイクロスフェアー

▸省エネルギーへの貢献

▸製品の軽量化への貢献

9

炭素製品

▸省エネルギーへの貢献

▸先端産業の発展への貢献

▸低環境負荷社会への貢献

7, 9

医薬品

▸健康な暮らしへの貢献 3

工業薬品

▸産業基盤への貢献 9

業務用食品包装材料

▸食料の安定供給への貢献 2, 12

釣糸

▸快適な暮らしへの貢献 3
▸安全・安心な暮らしへの貢献 11
▸低環境負荷社会への貢献 12
▸安定した物流への貢献 9
▸円滑で安心な取引への貢献 9
▸健康な暮らしへの貢献 3

安定した食料生産への貢献

アグロ製品

農薬を通じた作物の
生産性向上への貢献

2.飢餓をゼロに12.つくる責任、つかう責任
イメージ1:農薬を通じた作物の生産性向上への貢献
イメージ2:農薬を通じた作物の生産性向上への貢献

社会背景

国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2023」によると、2022年11月、世界人口は初めて80億人を突破しました。その世界人口は、2050年には97億人に達し、その人口増加の大部分が発展途上国で生じると予想されています(国際連合経済社会局「世界都市人口予測2019年改訂版」より)。世界人口の増加にともない食料需要が拡大する中、限られた農地を有効活用し、農業生産の安定的かつ持続的な増加を支えるための生産資材として、農薬は重要な役割を果たしてきました。

提供する社会価値

クレハでは、作る人、食する人、そして生態系、これら3つの共生を目指し、環境を守りながら、農業の生産性を高める農薬の研究開発に注力しています。少ない薬量で卓越した効果を発現し、また環境への負荷も少ないクレハの殺菌剤は、世界の農業の生産性向上に大きく貢献しています。
メトコナゾールは麦類やトウモロコシの重要病害に卓効を示します。1994年にフランスで殺菌剤として登録された後、登録国を拡大し、現在、欧州・北米・南米を中心に、麦類・トウモロコシ・ナタネ・ダイズなどの殺菌剤として世界40カ国以上で使用されています。
イプコナゾールは、播種前の種子の消毒に用いる「種子消毒剤」として幅広い作物で使用されています。種子伝染性や土壌伝染性の病害に対し、低薬量で高い防除効果を発揮します。日本国内では1994年の上市以降、水稲の種子消毒剤分野で高いシェアを獲得しています。海外では、トウモロコシ・麦類・ダイズなどの種子消毒剤として、北米・中南米・アジアを中心に販売が行われています。

成長戦略

世界人口の増加にともなう食料需要が拡大する中、農薬のニーズはますます高まっており、今後も拡大する見込みです。
また、種子消毒は環境負荷の少ない処理方法として注目されており、海外市場での伸長が期待されています。
既存の農薬に加えて、生産者・消費者・環境への負荷が少なくなるよう配慮された農薬など、持続可能な農業と食料の安定供給に貢献する新たな商品の開発に取り組んでいきます。

快適な暮らしへの貢献

家庭用品

食事を美味しく楽しく、
家事を快適に

2.飢餓をゼロに5.ジェンダー平等を実現しよう
イメージ1:食事を美味しく、家事を快適に
イメージ2:食事を美味しく、家事を快適に

社会背景

世界の家族のかたちは、時代とともに変化をし続けています。日本においては、共働き世帯の割合が年々右肩上がりとなり、現在一般世帯の2/3が共働き世帯といわれています。共働き世帯の増加に加えて、少子高齢化、核家族化などの影響もあり、家事を効率化して家族との時間を充実させたいと考える人が多くなるなど、家事との向き合い方もさまざまです。また、ライフスタイルの変化とともに家庭のキッチンシーンも、多様化しています。

提供する社会価値

クレハの家庭用品は「ツクレバ、いいもの、いい暮らし」というビジョンのもと、商品開発・販売を通じてお客様の家事をサポートしています。家庭用ラップのNEWクレラップや、調理補助類の新ブランドであるRakucho(ラクッチョ)、保存袋・容器類の新ブランドであるiremo(イレモ)など、家事と密接に関係する商品を通して、食事を美味しく楽しくするとともに、調理や保存を快適にすることで、家族の笑顔を増やします。

成長戦略

ライフスタイルの変化により、保存や調理に役立つ家庭用品の需要は多様化し、拡大していくと予想されます。家庭用品を使ってくださるお客様の声を大切に、新たな生活スタイルの提案により市場拡大を図っていきます。

エネルギーの多様化への貢献

「KFポリマー」(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))

リチウムイオン電池用バインダーを通じたCO2排出量削減への貢献・
エネルギー安定供給への貢献

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに9.産業と技術革新の基盤を作ろう

社会背景

カーボンニュートラルや脱炭素社会を目指す動きが本格化し、各国の環境規制が強化されています。
欧州委員会は2035年以降の新車販売においてCO2排出量を90%削減する目標を掲げ、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売を推進しています。また、中国も2035年をめどにすべての新車販売を環境対応車とすることを発表しています。
このような政策を背景として、世界の自動車販売市場では、ガソリンや軽油を使う自動車(ICE)から電気自動車(xEV)や燃料電池車(FCV)などの環境対応車へのシフトが進んでいます。中東情勢の悪化による燃料価格の高騰からも電気自動車の販売シェアは高まっています。
また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及、およびAIやクラウドなどのテックサービスの急速な発展にともなうデータセンターの増加による電力消費増から、電力貯蔵用として定置型蓄電池(Energy Storage System, ESS)も急増しています。

提供する社会価値

カーボンニュートラルや脱炭素社会を実現するためのキーテクノロジーのひとつは、蓄電池です。リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、充放電の繰り返しによる劣化が小さいことから、現在、ほとんどの電気自動車や定置型蓄電池に搭載されています。リチウムイオン二次電池の信頼性・耐久性の向上、高容量・高出力化、高速充電、電池コストの低減、充電設備の整備などの課題の解決が、求められています。当社のKFポリマーは、活物質と集電箔への高い接着性、広い電位領域での電気的安定性とリチウムイオンの高い透過性を示し、扱いやすい特性で生産性に寄与するなど、リチウムイオン二次電池用バインダーとして求められるさまざまな性能を満たしているため、長期信頼性が求められるリチウムイオン二次電池に広く使用されています。

成長戦略

当社は、リチウムイオン二次電池用バインダーの先駆者として、三元系正極活物質、リン酸鉄系正極活物質(LFP)向けのバインダー開発を積極的に進めています。また、リチウムイオン電池の需要増加に応えるため、生産能力を増強する計画で新工場の建設を進めており、2026年度中に完工、商業運転を開始する予定です。同時に、生産効率向上によるコスト削減と環境負荷低減にも努めていきます。
さらに、時代のニーズを先取りし、全固体電池などの次世代電池への対応も積極的に進めていきます。

「分解性フラックプラグKDP」(ポリグリコール酸(PGA))

地下資源開発向け製品を通じた
エネルギーの安定供給への貢献

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに9.産業と技術革新の基盤を作ろう
イメージ1:地下資源開発向け製品を通じたエネルギーの安定供給への貢献
イメージ2:地下資源開発向け製品を通じたエネルギーの安定供給への貢献

社会背景

AIをはじめとするデジタル技術の急速な発展により、世界全体のエネルギー使用量は増加傾向にあります。特に、生成AIやクラウドサービスの普及拡大にともない、AIの学習・運用を担うデータセンターの電力需要が急増しています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、データセンターによる世界の電力消費量は2024年時点で世界全体の約1.5%を占めており、AIの普及を背景に、今後もさらなる拡大が見込まれています。
このように、デジタル化の進展は社会や産業の高度化を支える一方で、増大する電力需要に対応し、安定したエネルギー需給バランスを確保することが、これまで以上に重要な課題となっています。

提供する社会価値

エネルギー供給を支える地下資源開発においては、操業の効率性と安全性の確保に加え、作業後の部材回収・除去にともなう追加工程や現場負荷を低減することが課題となっています。シェールオイル・ガス採掘で使用されるフラックプラグは、従来、水圧破砕後に破壊・回収が必要であり、作業時間・コストの増加や生産障害の要因となっていました。こうした背景から、坑井からの部材回収工程の削減と採掘工期の短縮によるコスト低減に資する分解性フラックプラグへの関心が高まっています。
分解性フラックプラグKDPは、坑井内の掘削環境で求められる機械特性に対応しつつ、使用後には加水分解により崩壊・消失する特長を備えています。これにより、操業効率向上と現場負荷低減のソリューションとして位置付けられます。

成長戦略

分解性フラックプラグKDPは、PGA樹脂「クレダックス」の分解特性を活かした坑井仕上げ用の製品であり、シェールオイル・ガス分野に展開しています。掘削現場では、鉱区ごとの深度や地層条件により温度環境が大きく異なり、作動の確実性や分解開始・進行のタイミングに対する要求も多様化しています。こうした条件差に対応するため、当社は材料とデザインの両面からKDPの分解特性を制御することで、現場条件に応じた製品ラインアップの整備を進めています。
今後も、掘削条件に応じた性能設計を継続し、KDPの適用領域拡大を図っていきます。

情報社会の発展への貢献

3Dタッチパネル

3Dタッチパネルの普及により、
私たちの生活をもっと便利に

9.産業と技術革新の基盤を作ろう
イメージ1:3Dタッチパネルの普及により、私たちの生活をもっと便利に
イメージ2:3Dタッチパネルの普及により、私たちの生活をもっと便利に

社会背景

IoTは“Internet of Things”の略で、「モノのインターネット」と訳される概念です。さまざまなシーンにおいてデータをやりとりするIoTは、家庭からオフィス、工場、医療現場など幅広く活用されていくことになると予測されています。
IoTを実現するために、デバイス・センサー・ネットワーク・アプリケーションなどの開発が進められています。

提供する社会価値

タッチパネルは、直感的に操作が可能なため、人とデバイスをつなぐインターフェースとして私たちの生活に欠かせないものになっています。現在主流となっている静電容量方式タッチパネルでは、指とタッチパネルの間に発生する微弱な静電容量の変化から位置を検出するため、水に濡れたタッチパネルや、手袋をはめた状態では操作ができません。当社は、英国スタートアップ企業であるCambridge Touch Technologies社と連携し、PVDFピエゾフィルムを用いた荷重検知が可能な3Dタッチパネルの開発を進めています。荷重で判定するという新たな機能によって、タッチパネルがさまざまな用途・環境で使用できるようになります。より多くの人が直感的に操作できるインターフェースとして提供することで、IoTをさまざまな人がさまざまなシーンで活用できるようになります。

成長戦略

当社の開発品である3Dタッチパネルは透明であるため画面の視認性に優れ、液晶や有機ELディスプレイの上に積層することができます。また、薄くて柔軟性があり、曲面などの形状に加工することが可能です。現在、PVDFピエゾフィルムの付加価値向上を目的に透明電極付きPVDFピエゾフィルムの開発を進めており、2026年度に量産化技術の確立を目指しています。ウェアラブル機器・スマートフォン・ノートPC・産業機器・車載機器などさまざまな用途に向けて、複数の企業と連携して開発プロジェクトを進行中です。