ポリフッ化ビニリデン(PVDF)KFポリマー
機械的性質
              KFポリマーは結晶性が高いため、他のフッ素樹脂に比べ優れた機械的特性を示します。
              引張特性においては、100℃でも約35MPa 以上の強度を有します。
              さらに、KFポリマーはフッ素樹脂としては極めて優れた耐クリープ性を示します。
            
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引張特性
(ISO527-2 準拠)
                      引張強度の温度特性 (KFポリマー #1000)  - 
                
引張クリープ(ASTM D2990 準拠、荷重 10MPa)
                      引張クリープ(伸び)(KFポリマー #1000)  
引張及び曲げクリープ(引張 ISO899-1、曲げ ISO899-2 23℃、荷重 8MPa )
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                      引張クリープ  - 
                
                      曲げクリープ  
熱的性質
            KFポリマーの融点はホモポリマーの場合、約175℃です。ガラス転移温度は約-35℃となります。
            そのため、おおよそ-30℃から150℃の温度範囲で長時間動作可能です。
            またKFポリマーは無添加でUL94V-0 相当の難燃性を有します。
          
化学的性質
KFポリマーは、優れた耐薬品性を持ちます。一部の強酸、強塩基を除き、多くの酸、塩基、酸化剤、還元剤、さらに多様な有機溶媒に対して高い耐性を発揮します。この特性により、一般的なプラスチックでは耐えられない厳しい化学環境下でも安定した性能を維持します。また、長期間にわたりその物性を維持できる点も評価されています。
                  耐オゾン性
                  KFポリマーの耐オゾン性は高密度ポリエチレン(HDPE)と比較して優れています。
                  (暴露条件; 1.0-1.2% オゾン, 室温
                  サンプル厚み=0.15mm, サンプル幅=5mm,
                  テスト長=20mm, 引張速度=1.0mm/min.)
                
不純物の溶出
            KFポリマーは加工時に、可塑剤、熱安定剤等の添加物の必要がないため、他の汎用樹脂と比較して、溶出物が極めて少ないです。
            また、純度が非常に高いことから、超純水用配管などにも使用されています。
          
全有機体炭素(Total Organic Carbon)溶出量(95℃熱水×6日間)
| ホモポリマー | コポリマー | |||
|---|---|---|---|---|
| #850 | #1000 | #1100 | #2950 | |
| TOC (µg/g)  | 
                    1.6-2.3 | 1.6-2.2 | 1.6-2.2 | 1.2-2.8 | 
※サンプル形状:ペレット
微量金属含有量
KFポリマーは、金属含有量が少なく、金属溶出を嫌う高純度用途にも使用されています。
            耐候性
            KFポリマーは紫外線・湿度・温度など自然環境への耐候性に優れていいます。
            一般的な環境下であれば、屋外でも長期間使用を続けることができます。
          
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KFポリマーの耐侯性
(機械的物性)KFポリマーは、優れた耐侯性を有するため、
屋外用の透明防汚フィルム材料として使用されています。
                      耐候性試験 機械特性 暴露条件:ウェザロメーター、カーボンアーク、
降雨サイクル 12 分噴霧/60 分停止、63±3℃、50~60%RH
試料: KFポリマー #1000、フィルム厚 35μm - 
                
KFポリマーの耐侯性
(光学的物性)KFポリマーは屋外で暴露されても光学的物性がほとんど変化しないため、各種のカバーフィルムとして使用されています。
                      耐候性試験 光学的特性 暴露条件:スーパーUVテスター、83 mW/cm2、
ブラックパネル温度63℃、60%RH
試料:KFポリマー #1000、フィルム厚 100μm 
保管
製品の性能を維持するためには結露を生じない室内環境下で直射日光を受けないように保管してください。
- 原料の取り扱いに関して、安全データシート(SDS)で詳細を確認ください。
 
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